昭和52年、伊賀線電車の更新が行われた。創業時以来の旧型車は一掃され、全ての電車が名古屋線モ6311、モ6331を改軌した5000系と称されるものに置き換えられた。 モ6311形は、関西急行鉄道時代の昭和17年に6311〜6315の5輌が、近鉄になってからの昭和19年に6316〜6320の5輌が製造された。ともに帝国車輌製の両運急行用車輌であった。当初は転換クロスシートが装備されていたが、戦時中にはロングシート化、昭和31年に中央部がクロスシートに戻ったが、昭和44年以降、全車ロングシート化された。 昭和34年の名古屋線改軌に際し、6311〜6314はそれまでのD-16からKD-32Bに、6316〜6320はKD-32Cにはき替え、6315はD-16を改軌して使用された。 6317〜6320は昭和49年に廃車されたが、6311〜6316は伊賀線転属となり、台車をD-16(6311〜6315)、D-18(6316)に履き替え、主電動機を104kW x 4に変更された。 車番はモ6311形6311〜6316 → モ5000形5001〜5006と改番されている。 モ6331形は昭和23年製、6331〜6335が近畿車輛、6336〜6340が日車製造の急行用車輌である。当初は両運転台、転換クロスシート装備であったが、昭和37〜38年に片運化され、その際に6333と6338は車体延長されている。また、この2車を除いて昭和44年にロングシート化された。 昭和52年に6331、6332、6335、6337は電装を解除し、KD32Dを狭軌化して伊賀線に転属、ク5100形5101〜5104となった。 モ6339は主電動機を75kW x 4に変更し、台車をD18に振り替え、モ5000形5007として伊賀線に転属した。 誠文堂新光社 私鉄電車ガイドブックより |
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