加太駅の近くにある、なかなか立派な造りの農家です。後ろの建物はひょっとしたらこのお宅の蔵かも知れません。手前の線路は関西本線です。この家の人たちは数十年間、毎日蒸機を見ながら暮らしていたことになります。なんともうらやましいことですが、音がうるさいとか、駅が遠くて不便だとか、そんなこともあるのでしょうね。列車本数が少ない地域では地元の人が列車の時刻を覚えてしまって、「〜時の汽車が通ったからそろそろ休憩の時間だ」とか時計代わりに使っていたようなこともあったでしょう。

三重県鈴鹿郡(現亀山市)関町 昭和54年3月